『英語参考書一覧』レベル・難易度・特徴・評判【レビュー】

今までに紹介した参考書の中から厳選したものをまとめています(2024/06/01大幅刷新)。市販の参考書から正しく学べば成果に繋がります。高額な学習塾や英語教材には騙されないように。

目次

英語の思考法

 英語の思考法に関しては文法書でも吸収できますが、翻訳家視点の書籍は英語の思考と直接的に向き合っている内容になるため、英語中級者以上なら参考にできる点があります。「英語とはこういう言語なんだ」という手がかりを見つけるだけなら英語初心者でも有用です。書籍以外にyoutubeも非常にオススメです。

発音・アクセント・リンキング

 語学学習の最初の一歩は「発音記号」を理解すること。なぜなら、正しい発音理解が正しいリスニングに結びつき、語学学習に必須の音声利用の効果を飛躍的に向上させてくれるからです。自分で正しく発音できない音を人間は識別できず、日本人ならカタカナ英語に変換され、挙句にカタカナ英語で音声学習を繰り返したときの損失は取り返しがつかないほど大きなものにもなってしまいます。

『英語耳』は発音記号の理解と発声方法に焦点を当てた参考書で2時間もあれば読み終えられます。『英語の発音パーフェクト学習事典』は単音ではなく、英文の発音を解説した参考書です。こちらは事典と冠している割に分厚くありませんが、1周目は2週間程度かかるかもしれません。なお、発音記号と発声方法は単語帳の冒頭でも軽く触れられているため、必須というわけではありません。

中学レベル

 大人の学び直しの場合、高校英語の範囲に中学英語が含まれているため、中学英語のみに絞る利点はほとんどありません。別の言い方をすれば、中学英語は高校英語の範囲を意図的に制限しているようなものなので、文法事項の説明では不十分な点が散見されます。よって、ここでは中学の復習を兼ねられる高校入門書を紹介しています。ただし、単語と熟語だけは中学と高校で明確に異なるため、中学生向けの参考書で押さえておく必要があります。

とってもやさしい英文法・英文読解

 英語初心者に広く支持されている英文法の入門参考書に大岩先生の『はじめからていねいに』がありますが、2014年に大きく改訂されてから今まで改訂していません。英文法の内容はそう大きく変わらないとは言え、同じ大岩先生の初心者向け書籍なら2022年出版の『とってもやさしい英文法』がオススメです。できたら『とってもやさしい英文読解』まで取り組み、基礎文法と基礎読解を押さえておけば高校英語の本格的な英文法に取り組む際のアドバンテージにもなります。

 なお、この段階から高校英文法の『EVERGREEN』を辞書代わりに併用しても構いません。最終的には自身の文法知識はその文法書と変わらぬ形を目指すため、できるだけ早い段階から目を通しておくに越したことはありません。

中学英単語・熟語

 中学英単語はあまり時間をかけずにさらっと覚えてしまって問題ありません。高校以降に重要単語は度々復習することになりますし、重要単語の幅広い用法も同時に学べる参考書が揃っているからです。どちらかと言えば、高校で復習しにくい熟語は取り組んでおくといいかもしれません。

 上記の中でオススメを挙げるなら、『システム英単語(中学版)』です。これは単語と熟語が1冊にまとめられているので、基礎単語の多い中学英単語を効率良く終わらせることができます。ただし、英文法の知識ゼロでは真価を発揮できないため、まずは『とってもやさしい英文法』で最低限の文法知識を備えておいてください。当サイトでは、第一に英文法を徹底的に押さえることを推奨しています

高校レベル

 高校からは全体的にレベルが上がるため、目的によっては過剰学習に陥りやすくなります。特に高校生向けの参考書は大学入試を想定しているものが多く、リーディング能力に偏っています。簡単な日常会話を目的にするだけなら、中学レベルで挙げた参考書をマスターしたあと、スピーキングとリスニングに特化する方が近道です。ただ、英語ネイティブのようなレベルの高い会話を目指す場合には、高校生向け参考書に取り組む価値もあります。

高校英文法

 高校英文法は実用的なレベルのほとんどを網羅しているため、より充実した四技能を求めるなら取り組みましょう。まず、従来から続くアカデミック寄りの文法書ならEVERGREEN(旧FOREST)がオススメです。700ページ近くの分厚さながら、読みやすく、中学英文法では触れられなかった英文法の真髄に触れられます。

 一方、スピーキングを重視するなら1億人の英文法がオススメです。厳密には高校生向けの参考書ではありませんが、『EVERGREEN』の充実度に匹敵する唯一無二のスピーキング寄りの文法書になっています。『EVERGREEN』にはリーディングとライティングの知識を求め、『1億人の英文法』はスピーキングとリスニングの知識を求めるといった使い分けが想定できます

 また、これらの参考書は分厚いために辞書代わりに使うという方針が多いかもしれませんが、最初から最後まで1度読んで理解に努めることを推奨します。その後、文法問題集を一通り終えたあとにもう一度、そして最後に辞書として手元に置きましょう。単純に読み物としてもおもしろく、最初に全てを理解できなくとも全体像を把握しながら「文法はこれだけ」というマインドを構築できる利点は大きいと思います。

高校英文法(問題集)

 優れた文法問題集の条件は「音声付き、ランダム出題、丁寧な解説、無駄のない問題」の4つです。以下の2冊は個人的に特にオススメの文法問題集になっています。『竹岡の英文法』は重要事項を手早く押さえたい人向け。『英文法・語法良問500』は文法語法の不安要素を消し去りたい人向けです。時間があるなら『良問500』を推奨します。

 おそらく1周目はあまり正答できないと思いますが、文法書を読んだあとなら解説は理解できるはずです。逆に言うと、問題集の丁寧な解説を読んでも理解できない場合、文法書の理解が甘くなっている可能性が高く、もう一度読み直すか、該当箇所をその都度確認しましょう。文法問題集は問題を解くことではなく、問題で問われる点の把握と理解が大切です。

 現時点で最もオススメの英文法語法問題集は英文法語法良問500問+4技能(河合出版)『整序英作文、誤文訂正、空所補充』の3冊です。こちらは合計1500問と分量は多いものの、文法書並みに解説が丁寧なので、しっかり仕上げたら文法知識の不足感はなくなります。

高校英単語・熟語

 まず、中学レベルで挙げた単語帳を完璧に仕上げたならば、高校入門レベルは飛ばしても構いません。高校入門レベルの単語帳に取り組む人とは、中学英単語の完成度が6~7割、あるいはあえて重複する部分を残して進みたい人に限られます。そして、高校入門レベルの単語帳は『ターゲット1200』『LEAP-Basic』『システム英単語-Basic』『速読英単語(入門編)』の4冊が有名です。

 高校入門レベルを終えたあとは『ターゲット1900』『システム英単語』『速読英単語(必修編)』『LEAP』『DUO3.0』などに進みます。個人的なオススメは『DUO3.0』と『速読英単語』です。今となっては古い単語帳と認識される『DUO3.0』ですが、単語と熟語が1冊にまとまった使い勝手の良さは色褪せていません。その他にも高い完成度を窺い知れる工夫が施されているため、時間のない現役生には特に薦めたい単語帳です。

 DUO3.0は中学英単語の中でも簡単なものや私たちが日常生活で自然と記憶に残る単語約1000語を除いた「総掲載語数8000語弱」によって実質9000語レベル(英検準1級)の網羅性を謳っています。しかも重要単語に絞った上でのそれなので、専門性の高い分野を除けば、DUO3.0一冊を完璧にするだけで語彙力は万全なものになると言っても過言ではありません。ついつい難単語の習得を優先してしまう心理もありますが、まずはDUO3.0の単語・熟語の全てを使いこなすつもりで取り組む方が長期的にはプラスだと思います。

大学・社会人向け

 難関大学はおおよそ英検準1級程度とされていますから、英検1級やTOEIC730~あたりの教材が大学・社会人向けと言えるかもしれません。しかし、大学・社会人向けの参考書はそこまで充実しておらず、スピーキングやリスニングなら生の教材(映画やニュース、ドラマ、洋書など)を利用した方がより良いでしょう。今ではyoutubeの情報もかなり充実しています。高校生向けの参考書をきちんと吸収できたのなら、もう4技能の下地としては十分なものを備えているはずですから、あとは語学学習特有の反復による慣れしかない気がします。

 ひとまず単語力を上げたいなら究極の英単語シリーズがオススメです。プレミアムまで含めるとかなりの網羅性があります。英検を目的にするなら単熟語EX』、上級英単語を求めるならTOEFL上級英単語2500、TOEICなら金のフレーズが人気の選択肢です。

 洋画を観るとわかる通り、大学受験で覚える単語よりも日常会話では『句動詞』が頻出します。日本人にとって句動詞の感覚は掴みにくい上に覚えにくいため、イラスト付きでコアイメージを理解しやすいネイティブの句動詞はオススメです。句動詞を使いこなせれば、一気にネイティブっぽい印象を抱いてもらえると思います。

『ネイティブの句動詞』よりも網羅したいなら、『DUO elements』がオススメです。このシリーズはフレーズとして合計2200を収録し、990の重要熟語はピクトグラムで整理されています。これだけの句動詞を押さえておけば日常会話で困ることはありません。

オススメの補助教材(アプリや動画など)

Bestflip(アプリ)

 今ではアプリを使用して自分専用の単語ノートを簡単に作ることが可能です。受験生なら志望大学の過去問から、専用の単語ノートを作ることで合格率も上がるでしょう。しかし、巷には類似するアプリが多く、どれを使ったら良いかわからない人も多いと思います。

 個人的に調べて実際に使用した限りでは『Bestflip』が最もシンプルで使いやすかったです。無料で無駄な広告も一切なく、最低限の機能のみで事足ります。欠点は音声読み上げがない点のみ。

 他にも使いこなせれば学習を大きくサポートしてくれそうなものもありましたが、この手のアプリは機能が多いことがあまりプラスに働かないと思います。Bestflipは広告の誤タップにイライラすることもなく、とにかく求める機能をシンプルに使い続けることが可能でした。音声読み上げがない点のみ残念ですが(今後に期待)、単語・熟語音声は別途単語帳で事足りるので大きな問題ではありません。今後、マネタイズから広告掲載も予想されますが、その際は買い切り型になるか、操作感覚を損なわないことを切に願います。

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