タイトル | TOEFL TEST究極単語5000 | |||||||||||
出版社 | 語研 | |||||||||||
出版年・価格 | 2011/10/1 2200円 | |||||||||||
著者 | ポール ワーデン | |||||||||||
目的・分類 | TOEFL対策の英単語 | |||||||||||
問題・ページ数 | 664ページ | |||||||||||
総合評価 | ||||||||||||
対象・到達レベル | 日常学習 | 教科書基礎 | 教科書標準 | 入試基礎 | 入試標準 | 入試発展 | ||||||
※入試基礎=日東駒専、地方国公立 入試標準=MARCH、関関同立、準難関国公立(地方医含む) 入試発展=旧帝大上位、早慶、医学部
対象・到達レベル
・TOEFL対策をしたい人、大人の学び直し、留学を考えている人
・A、B、Cにランク分けされ、Cランクまでの単語を覚えるとTOEFL iBTスコア100を目安としています
・音声から単語を押さえたい人
本書はTOEFL向けの英単語帳です。大学受験向けの単語帳ではあまり重要視されない学術単語も多く収録しています。出版年が古く、最新の動向を反映していないデメリットがあるため、TOEFLを意識せず、基礎的な重要単語を音声によって覚える使い方のために購入するのが非常にオススメです。大学受験向けの単語帳とは異なる収録単語が新鮮で、受験勉強を終えた高校生、大学生にもオススメの一冊と思います。
また、本書の構成はシンプルで必要十分なものにもなっています。約3000語強の見出し語は『単語・品詞・意味・例文』のみです。後半にある学術用語(数学や化学、医学、美術、経済学など)とイディオム・決まり文句は『単語・意味』のみとなっています。なお、仮に本書を大学受験に用いた場合、偏差値では50~65程度まで網羅しており、本書のAdvance3000まで含めると早慶レベルまで対応可能です。わざわざ本書を大学受験で選ぶ理由は小さいですが、傾向こそ多少異なるものの、重要単語は分野を問わないところがあります。
見出し語と音声の充実
なぜ、出版年も古い本書に目をつけたのかというと、大学受験用にはない学術用語を扱い、かつ実地に必要な英単語を数多く収録し、音声の構成もシンプルで理想的だったからです。※TOEFLは海外の大学に留学する際に用いられる、授業に対応できるようになるためのテスト。
常々単語帳の収録音声は『英語のみ』が理想であることを述べており、さらに単語のみを淡々と読み上げる形式ならなおのこと良いとしています。日本の大学受験用の単語帳は『単語を覚えるための音声』であることが多く、『単語→意味(日本語音声)』の形式がポピュラーです。しかし、これでは英語から日本語への変換が癖になり、英語を英語のまま理解するための音声としてはあまり機能しません。英単語の認識的な理解(抽象化)が進むと、英単語を日本語に変換するのではなく、英単語のニュアンスやコアイメージを捉えるようになります。
日本語への変換は初期のリーディング(視覚情報)にだけ留め、音声では日本語に頼らない方針が個人的には有力です。第一にリーディングを徹底的に押さえた上でのリスニングやスピーキング、ライティングへの発展というのが日本語環境では最善と考えています。
他の単語帳との音声比較
学術用語を含む単語帳はTOEFL向けがオススメであり、その中でも本書の見出し語と音声がシンプルに充実しているものは他にないかもしれません。他方で単語音声の比較では、本書のような英語のみの音声で淡々と読み上げるものはないわけではありません。
例えば、大学受験用『ターゲット1200・1400・1900』の音声には単語を英語のみで読み上げる形式があります。『究極の英単語』シリーズも部分的にはそうなっています。DUO3.0はセンテンスのみ。有名なシステム英単語には日本語音声が含まれてしまっています。ちなみにこうした音声利用においては『キクタン』シリーズが群を抜いて使いやすくなっています。単語のみはないものの、フレーズとセンテンスのみを英語のみで読み上げる形式がレベル別に豊富に取り揃えられているのでオススメです。※音声ファイルが分けられている、分けることができる
そうした単語帳の音声事情を比較すると、5000語という圧倒的な見出し語を英語のみの音声で聞き流せる利点は大きく感じられると思います。重要単語は色褪せないのもあり、中古でも手に入りやすい。ただし、音声CDは販売終了しており、語研のサイトでダウンロード版のみを販売している点は注意が必要です。