- 音声無料ダウンロード付き
- 充実した周辺情報は高校英語にも活きる
- 価格が安い
中学英熟語の決定版か
言わずと知れたターゲットシリーズの熟語版です。中学生向け英単語帳は一冊で済むシステム英単語や速読英単語の使い勝手に魅了されていましたが、二冊に分けられている意味がよくわかりました。400の熟語をわざわざ一冊に編纂しただけあって、高校1年生くらいまでなら問題なく対応できるほど周辺情報が充実しています。
一語一訳一例文にはじまり、複数の使い方が解説され、ミス防止・差がつく・応用として追加情報(主に文法と語法)があります。さらに音声無料ダウンロード付きですから、非の打ちどころがない熟語帳に仕上がっていると思います。中学英熟語に限ってはターゲットが頭一つ抜けているかもしれません。※高校生向け英熟語ターゲット1000よりも充実しています。
対象レベルは、難関高校入試まで対応できるとします。大人の学び直しにおいても、非常にオススメの一冊です。高校英語の熟語ではターゲット1000や速読英熟語が有名ですが、本書に取り組んでおけば3割くらいは先取りできるかと思います。ただ、情報が充実しているあまり、本書を使いこなせるどうかは難しいところです。
難関高校を目指す中学生や理解に重きを置く大人ならば問題ありませんが、おそらく英語や勉強そのものが苦手な人にとっては心理的負担が大きくなるばかりです。なので、基本的には一語一訳の暗記を中心に据えながら、周辺情報は軽く目を通しておくだけでも十分と考えます。少なくとも中学英語の必須事項は高校英語で必ず復習や深堀りされますから、中学英語だけで全て覚えきる必要はありません。
熟語は特に例文と英作文で覚える意義が大きい
まさかターゲットの中学英熟語がここまで充実しているとは思いませんでした。単語の方は掲載数の関係から用法の掲載が一部に留まっていましたから。以前に紹介したLEAPとは違い、基礎熟語だからこその情報が詰まった仕様です。
そして、熟語は単語以上に例文や英作文で覚える意義が大きいと思っています。というのも、熟語は二語以上(特に前置詞を含むもの)で構成されているものを“ひとかたまり”として捉えなければならないからです。熟語として認識できないと、変に文法知識にまで介入して混乱を招きます。
単語は単語として完結していますが、熟語はそのままでは不完全な状態(のように感じる)。文章の中でしっかり整った熟語を認識しながら覚えた方が圧倒的にお得なのです。数ある熟語帳の中でも、速読英熟語や追従する英熟語ターゲットR(ターゲットの長文形式)が支持されている理由はおそらくここにあります。
注意点としては、例文音声があるのは最新版の音声無料ダウンロードだけです。現役中学生や高校生なら最新版を推奨しますが、大人の学び直しの場合、旧版の購入を考える方もいるかと思います。その場合、追って有料CDの購入を考えなければならないかもしれません。
例を挙げると、高校生向けターゲット1900の最新版(第六版)より一つ古い第五版では、音声無料ダウンロードと従来のCD音声(有料)に分けられています。前者には例文音声がなく、後者にはあります。少し前までは無料と有料の音声に差を設けていたというわけですね。※個人的な要望を言えば、英語のみで構成された音声(高速)が欲しい
しかし、最新版ではその差がなくなったため、例文音声を求めるのなら素直に最新版を購入した方がコスパは良いと思います。旧版の音声無料ダウンロードもいつできなくなるかわかりません。結果的に有料CDまで購入するなら最新版を購入しましょう。