6年分を総復習 小学生の漢字1026字 読み取り書き取りドリル

タイトル小学生の漢字1026字 読み取り 書き取り
出版社メイツ出版
出版年・価格2018/11/25
著者子ども学力向上研究会
目的・分類小学漢字
問題・ページ数144ページ
総合評価
対象・到達レベル小学復習教科書基礎教科書標準入試基礎入試標準入試発展
※全統模試目安 [教科書基礎=40~45][教科書標準=45~50][入試基礎=50~55][入試標準=55~65][入試発展=65~70]
※入試基礎=日東駒専、地方国公立 入試標準=MARCH、関関同立、準難関国公立(地方医含む) 入試発展=旧帝大上位、早慶、医学部

対象・到達

【対象】
・国語が苦手な人、小学漢字の復習

【到達】
・小学漢字をマスターできる

 小学漢字を扱う参考書は小学漢字の一覧のみであったり、中学受験対策であったり、書き順まで掲載したりと(当然ながら)現役の小学生向きが大半です。その点で本書は小学漢字1026字がドリル形式で漏れなく被りなく掲載されています。大人の学び直しを含む中学生以上の小学漢字復習なら本書が最もシンプルで使いやすい。

 国語が苦手という人は果たしてここからしっかり復習できているでしょうか。小学漢字は中学の勉強の大前提ですから、100点でなければなりません。多くのテストで99点は高得点と称賛されますが、中学までの漢字、できたら常用漢字を網羅する高校漢字まで100点でなければ意味がないと言っても過言ではありません。

 ある教育者の方は「七五三」という理論を提唱されていました。それは小学算数の理解度が七割の子は中学数学の理解度が五割となり、高校数学では三割になるということ。漢字の場合、あらゆる場面で使用されますから、数学以上の差を生んでいるかもしれません。基礎基本とは、将来にわたり複利のような効果を生みます。勉強の基礎は国語力、国語力の一要素である語彙力(漢字)の重要性は誰もが理解しているはずです。

国語はあらゆる学習の基礎

 厳密には数理能力と分ける必要がありますが、教科書や参考書、授業にしても、全て日本語によるコミュニケーションですから国語力は常に要求されています。特に小学校から中学校へ、中学校から高校へ進学する際には要求される国語力が一段階上がります。ここで躓く子が多く、なぜ躓くのかというと、それ以前の学習が前提になるからです。そして、理解できないものは覚えることまで困難にし、勉強の意欲まで低下させてしまいます。

 理科や社会ならまだ挽回できますが、勉強の基礎、いや思考そのものの土台である「言語能力」「非言語能力」を司る国語と数学は厳しくなります。数学に関してはもはや何が何だかわからなくなるために苦手意識の芽生えから発見が容易ですが、この点で国語は厄介です。国語は“かろうじて読める”という能力的な成果が部分的にあるため、明確に理解できない状態までなかなか認識できません。

 その結果、茫漠としたうまくいかない感覚を抱きながら、あらゆる科目の成長を阻害してしまうのです。現代文の文章を読んで「理解」できたかどうか何だか曖昧な感覚を抱くことがあると思います。その状態では大人から説明されても、参考書を読んでも身にならないのは明白です。

難関高校の優位性

 そのような問題の原因を探ると、第一に思い浮かぶのが国語力の基礎である語彙力=漢字です。本書によって小学漢字から総チェックし、以前に紹介した「ゴイカン」で中学と高校漢字を一気に網羅するのがオススメ。その際、漢字の知識のみに焦点を当てるのではなく、文の中での働きやニュアンスを意識しながら理解に努めてほしいと思います。読み書きにだけ満足しない。

 これは持論ですが、国語力の向上には語彙と文法をしっかり押さえた上で「良質な文章=論理が明瞭で言葉の定義が曖昧ではないもの」に触れ続けることが重要です。良質な文章の代表は教科書。漢字の読み書きは前提に過ぎません。他人の話し言葉でも構いませんが、時に比喩を用いて論理的でわかりやすい話ができる人はそう多くないために厳選する必要があります。逆に非論理的な文章や話を聞かされる環境にいると、特に子供の場合は同様に非論理的になります。国語力の根本は「親子の会話」と言って良いかもしれません。

 そして、ここで受験勉強や学び直しについて考えておきたいことがあります。それは「難関高校の優位性」です。中学校までの学習を十分に終えた難関高校の子供たちは、大学受験において純粋に高校範囲の学習に時間を割けます。しかもその効率は受験の慣れからも平均的な高校生より高く、大人になってからもずっと学習効率は高いままです。

 逆に言うと、多くの高校生は中学以前の復習から行わなくてはならず、その復習で第一に考えたい事柄は「漢字」です。数学の教科書NEXTシリーズでも述べたように、教科書の濃密な文章を最初から処理できる方が有利です。わかりやすい参考書を求めるばかりではなく、時期的に余裕があるなら根本的な国語力(学習効率)の向上、その中でも取り組みやすい漢字から。文章を読んでいて、見慣れない漢字から意識が宙に飛ぶ感覚を抱く人には特に取り組んでほしいと思います。

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