英語のハノン スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル―レベル・難易度・特徴・評判【レビュー】

タイトル英語のハノン スピーキングのためのやりなおし英文法
出版社筑摩書房
出版年・価格2021/4/7 1980円
著者横山 雅彦、 中村 佐知子
目的・分類大人の学び直し、スピーキングのための文法問題集
問題・ページ数
(完成日数)
272ページ
総合評価
対象・到達レベル
(偏差値目安)
日常学習
(ALL)
教科書基礎
(40~45)
教科書標準
(45~50)
入試基礎
(50~55)
入試標準
(55~65)
入試発展
(65~70)
※[入試基礎=日東駒専・共通テスト・地方国公立] [入試標準=MARCH・標準~上位国公立(地方医学部含む)] [入試発展=早慶・旧帝大・医学部・一橋・東工大(科学大)]

対象・到達レベル

・英語を話すための大人の学び直し

・初級[中学英文法]、中級[接続詞・比較]、上級[関係詞・仮定法・強調構文]

・英語中級者以上(ゼロからの初心者には負担が大きい)

 初級は中学レベルで扱われるような文法事項の基礎をまとめたものになっています。中級・上級と複雑で長い表現をするための文法事項である接続詞や関係詞が扱われています。全体的に高校英文法の内容をスピーキングの枠組みから再編し、ドリル形式の音声で徹底的にトレーニングするものです

 したがって、本書は大人の学び直し向きです。一般的な受験英語の文法書は当然ながら問題を解くことを意識した文法解説になっていますが、本書は徹底的にスピーキングを意識しているため、スピーキングの成長をはっきりと感じやすいものになっています。

スピーキングの枠組みから英文法をトレーニング

 本書でゼロから英文法を学ぶというのはあまりオススメできません。一通りの文法用語を押さえた上で、現在進行形でスピーキングの練習を求める人なら実りが大きくなると思います。ゼロから始める人は大学受験向けである『とってもやさしい高校英文法』などを一読しておくのがオススメです。学生時代に一通り勉強した自覚のある大人であれば、本書から取り組んで問題ありません。

 逆に言うと、本書の解説だけでは文法用語の理解が甘くなる可能性があります。実際のスピーキングにおいて文法書ほどの理解が必要かは別としても、表現の応用力という意味では文法をしっかり押さえておくに越したことはありません。この差は意外と大きく、特に本書は“ハノン”と冠しているように徹底した反復トレーニングをコンセプトに含んでいるため、文法理解の浅さが挫折しやすさにも繋がりかねないと思います。

 そして、その反復トレーニングというのは比較的単純なものであるため、瞬間英作文トレーニングに近い効果を狙うものになっています。正直、誰にでもオススメできる良書ではなく、ピアノの練習のように「徹底した基礎の反復は避けて通れないよね」と薄々感じている英語学習者にうってつけのものです。いわば英語の筋トレ。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!