タイトル | DUO BASIC[デュオ・ベーシック] | |||||||||||
出版社 | アイシーピー | |||||||||||
出版年・価格 | 2024/10/9 1650円 | |||||||||||
著者 | 鈴木陽一 | |||||||||||
目的・分類 | 中学英単語(高校入試向け) | |||||||||||
問題・ページ数 (完成日数) | 384ページ | |||||||||||
総合評価 | ||||||||||||
対象・到達レベル (偏差値目安) | 日常学習 (ALL) | 教科書基礎 (40~45) | 教科書標準 (45~50) | 入試基礎 (50~55) | 入試標準 (55~65) | 入試発展 (65~70) | ||||||
対象・到達レベル
・中学生向け英単語だけではなく、熟語と文法も網羅する
・難関高校入試にも対応できる見出し語1200語(総掲載語2500語、高校偏差値65程度まで)
・無料音声ダウンロード付き
高校生向けDUO3.0のコンセプトをそのままに、中学生向けの英単語を例文にまとめたものです。見出し語1200語は中堅高校程度(偏差値55前後)ですが、本書の補足情報に掲載されている語も含めると難関高校入試にも対応できます。全国有数の進学校でもなければ、基本的に本書一冊で十分です。
ついに登場した中学生向けDUO
今まで高校生向けDUO3.0は非常にオススメの一冊でしたが、前後の接続が微妙という欠点がありました。同じコンセプトの単語帳からシステム英単語[中学版]を推奨していたものの、やはり同じDUOであるに越したことはありません。それにシステム英単語[中学版]よりも明確に優れている点として、補足情報が充実している点が挙げられます。
熟語と文法をより多く網羅し、前置詞イメージも加え、例文の質も高い。システム英単語[中学版]は例文こそ本書の240よりも多い572となっていることから見出し語の数ではシステム英単語に軍配が上がりますが、出版年が新しい割に例文は古臭い印象を受けるものがあります。
本書とシステム英単語[中学版]の比較
・見出し語(システム英単語1800>本書1200)
・総掲載語(本書2500>システム英単語1800)
・文法情報(本書>システム英単語)
・熟語(本書≒システム英単語)
・例文の質(本書>システム英単語)
・音声周回(本書27分>システム英単語40分)※見出し語の差
現役中学生には見出し語の多い『システム英単語』が取り組みやすいかもしれません。高校生の中学復習と大人の学び直しには『DUO』を推したい。どちらにしても、例文暗記は第一に文法をしっかり押さえた上で取り組んでほしいところです。文法知識がない状態なら、単純暗記のターゲットを推します。
日本人が日本語環境の中で英語学習するなら『文法』から理解する方針を薦めています。その際、オススメしている参考書は『とってもやさしい高校英文法』です。同じシリーズの英文読解も有用。本書の例文和訳を読んで、なぜそのような和訳になるのか?を説明できるなら問題ありません。もしわからないようなら、最低でもその一冊を押さえておくと良いと思います。
DUO-BASICとDUO3.0の2冊で早慶準備~合格まで
余裕があれば、3冊、4冊と多くの単語帳に触れる方針も有力ですが、まずはコアとなる重要単語と熟語を覚えてしまった方が効率的です。その点でDUOの網羅する重要単語は質が高く、補足情報の充実からして満足に仕上げられたときの価値が大きい。
本書の総掲載語約2500語を覚えれば、大学入試で言うところの偏差値55程度までは網羅されます。そこからDUO3.0で偏差値65程度まで伸ばすことが可能。当然ながら接続は良好。ただし、熟語に関しては熟語のみを扱った単語帳に比べてやや弱いので、別で『キクジュク』や『システム英熟語』などで補完した方が良いかもしれません。
DUO3.0は出版年が古いこともあってか、熟語だけで言うと、速読英熟語と同等か、それより若干易しい気がします。つまり、DUO3.0の見出し熟語を全て覚えても偏差値55~60が関の山です。もちろん、熟語の出題頻度からして一概には言えません。補足情報も含めた総掲載語約8000語を網羅できるなら早慶合格まで視野に入りますし、過去問を何度も解いて頻出英単語も網羅することまで考えると、単語帳の形式としてはDUO3.0で十分とも言えます。
なお、英単語の純粋な難易度で言うと、早慶>東大という認識です。難関私大では一般的な受験参考書に掲載されない難単語や学部の特徴的な単語が出題されるため、本書とDUO3.0だけで十分とは言いにくい事情があります。
まさか2024年に中学生向けのDUOが発売されるとは思いませんでした。ここにきて『DUO4.0』も発売される可能性があるのでしょうか。DUO3.0の見出し語は今でも有用なものが揃っていますが、例文はどうしても古い印象を抱くものがありますから、DUO4.0は多くの英語学習者が期待する参考書の一つと思います。