タイトル | 英文法・語法 Vintage 4th Edition | |||||||||||
出版社 | いいずな書店 | |||||||||||
出版年・価格 | 2023/10/1 1705円 | |||||||||||
著者 | 篠田 重晃、米山 達郎 | |||||||||||
目的・分類 | 英文法問題集 | |||||||||||
問題・ページ数 (完成日数) | 約1500問 608ページ | |||||||||||
総合評価 | (1冊目なら) | (2冊目以降なら)|||||||||||
対象・到達レベル (偏差値目安) | 日常学習 (ALL) | 教科書基礎 (40~45) | 教科書標準 (45~50) | 入試基礎 (50~55) | 入試標準 (55~65) | 入試発展 (65~70) | ||||||
対象・到達レベル
・文法問題(特にイディオム)の数を増やしたい人(2冊目以降)
・学校の授業と並行して取り組んでいる人
・高校基礎~入試標準まで(偏差値60~65まで)
学校で配布されることも多い有名な文法問題集です。授業の補助教材として用いられる分には問題なさそうですが、解説が少ないために独学には適していません。ネクステと共に、本書を1冊目の問題集として採用するのはオススメできません。
本書の構成
・文法、語法、イディオム、会話表現、ボキャブラリー、発音・アクセントの6章構成
・問題数は約1500問、無料音声付き
本書一冊で入試で問われる英語の知識問題を網羅できるようになっています。左に問題、右に解説のよくあるレイアウトです。ほとんど同じ形式と問題数のネクステと比べると、本書の解説はフォントの強調や赤字が少なく一貫してシンプルにまとまっています。個人的にはネクステより本書の方が好みです。
ネクステ、文法語法良問500、竹岡の文法語法問題集との比較
まず、解説の充実度で言うと『文法語法良問500』と『竹岡の文法語法問題集』が頭一つ抜けているため、文法問題集の“1冊目”としてはそのどちらかをオススメします。というのも、文法は理解に重点を置く必要があるので、あっさりした解説に慣れてしまうと丸暗記に近づいてしまうからです。4択の空所補充形式も思考をサボりやすく、自己説明をするなりして勉強法を工夫しない限り、文法語法の定着にはあまり向いていません。
その点で文法語法良問500は充実した解説と無料音声をもとに空所補充と整序英作文、誤文訂正のシリーズ3冊で文法・語法の知識を盤石なものにできます。文法・語法だけで1500問という量は多いように感じるかもしれませんが、整序英作文と誤文訂正は英作文にも活きますし、問題を解くためのアプローチが異なるだけで知識の重複を加味すれば実質1000問程度の問題集です。竹岡の文法語法問題集(600問)でも悪くありませんが、どちらかと言うと時間がない人向けです。
では、本書やネクステの利点は何か?というと、イディオムと会話表現、ボキャブラリー、発音・アクセントが含まれていることです。これらは『文法語法良問500』や『竹岡の文法語法問題集』では取り扱われていません(イディオムは多少ある)。解説が心許ないために確認問題集としての位置付けは変わりませんが、理解よりも暗記に近いそれらの問題は本書だけでも不都合はないと思われます。特にイディオムは効果的に覚えられる可能性があります。
よく文法問題集を一冊完璧にすれば十分と語られますが、周回を前提に語るなら解説は充実しているに越したことはありません。確かにその分1周目は大変です。しかし、2周目以降の労力は半分、さらに半分と倍々で労力は軽くなり、軽くなっていく過程で生まれた余裕を充実した解説に割いていく方が長期的にはプラスです。充実した解説が冗長的ではないなら、それは正しい理解の要求であり、勉強とは一定の心理的負荷を避けて通れないということを忘れてはならないと思います。脳が楽をする分だけ時間あたりの成長率は下がります。