タイトル | カシオ関数電卓fx-375ESA-N | |||||||||||
メーカー | カシオ | |||||||||||
価格 | 2,091円 | |||||||||||
電源 | ソーラーと補助電池の併用 | |||||||||||
目的・分類 | 関数電卓(10桁) | |||||||||||
サイズ・重さ | 161.5×77×11.1(mm) 95g | |||||||||||
総合評価 | ||||||||||||
対象・到達レベル | 日常学習 | 教科書基礎 | 教科書標準 | 入試基礎 | 入試標準 | 入試発展 | ||||||
※入試基礎=日東駒専、地方国公立 入試標準=MARCH、関関同立、準難関国公立(地方医含む) 入試発展=旧帝大上位、早慶、医学部
本製品の対象
おそらく高専生や理系大学生には馴染みのある関数電卓です。パソコンやスマホで何でも計算できる時代に関数電卓を取り上げるには訳があります。それは数学を身近に感じられるアイテムだからです。一般的な電卓は四則演算+αの機能がメインで算数なら身近に感じられるかもしれませんが、本製品のような関数電卓は三角関数や対数、統計計算など目に見えない数学的な関係性を扱うこともできます。
また、日本では関数電卓と言うと、高専生や理系大学生、技術系の社会人くらいにしか認知されていませんが、実は学校教育の中で関数電卓が当たり前に使われている国、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどたくさんあります。これは日本の教育が徹底した基礎力、大学受験の例えば化学の計算もいまだに手計算が行われるほど基本計算の正確性がなぜだか重視されるのに対して、諸外国では基本計算は電卓に任せて計算結果が意味するものや問題解決のための数学的な視点といった応用力を重視する風潮があるようです。
もちろん、そうした日本と諸外国のスタンスの違いは一長一短ですが、関数電卓が身近にない日本は手計算、つまりは計算力がないと挫折しやすい環境にあるというのは肯定的に受け取れないとは思います。思い返してみれば、計算力がない子は算数を嫌いになりやすく、であるならもっと電卓に頼って算数、数学的な考察の面に注力させてあげても良かった気がします。そうした背景からも関数電卓は単なる電卓というよりも、個人的には数学を身近に感じさせるアイテムとしてこの場で取り上げたいのです。
他の機種との比較
カシオ fx-375ESA-N | シャープ EL-509T | |
価格 | 2,091円 | 1,864円 |
関数・機能 | 394 | 559 |
電源 | どちらもソーラーと補助電池 | |
桁数 | どちらも10桁 | |
数学自然表示 | ||
行列計算 |
まず、関数電卓のメーカーはカシオ、シャープ、キャノンが有名ですが、特にカシオのシェア率は高いものになっています。なので、第一にカシオの本製品か、シャープEL-509Tあたりがオススメです。関数電卓は2010年あたりからあまり変わり映えせず、有名メーカーの中では唯一カシオが最新機種(2023年)を更新している状況になっています。
また、最新機種は過去の機種からキー配列に変更が加わっています(本製品は旧機種に位置づけ)。初めての関数電卓なら問題は小さいものですが、本製品なら価格的なコスパも高く、キー配列や打鍵にも癖がないと思います。ただし、行列やベクトル計算をする場合、最新機種の700/900シリーズにするか、旧機種の同シリーズを探すしかありません。あるいは『シャープEL-520T-X』です。行列計算は数検1級や理系大学生なら「線形代数」で必要になります。コスパを考えるとシャープのそれが最もオススメ。
本製品と『シャープ EL-509T』は関数電卓の入門としてオススメです。関数・機能数に差があるように感じるかもしれませんが、主要な関数と機能はどちらも押さえています。本製品の魅力は関数電卓初心者、小学生であっても直感的な操作ができることです。ボタンが多くて使いこなせないように見えても、すぐに覚えられるほど親切設計になっています。(喜ばれるかは別として)子供へのプレゼントにもオススメです。幼い頃から関数電卓いじりが好きで東大の理学部に、エクセルいじりが好きで東大の工学部に進学したといったエピソードを耳にすることがあるように、子供がいつどこで何に興味を持って勉強に目覚めるかわかりませんから関数電卓ひとつ家に置いても損はないでしょう。