なお、少々わかりづらいかもしれませんが、本書には『DUO elements 前置詞/副詞 mini』というミニブックとCDが付属したものが別で販売されています。ミニブックは3冊あります。ピクトグラムをまとめたもの。本書の最後にまとめられた990個の例文集。新たに加えられた1000個のフレーズを含む約2000個のフレーズ集。CD音声は「990個の例文音声」と「2000個のフレーズ音声」です。よくある別売りの音声CDにおまけがついていると考えたらわかりやすいかもしれません。※本書に音声は付属していません。
本書の利点は、そうしたネイティブが思い浮かべるようなイメージから暗記できることにあります。イメージは音に近く、視覚的な理解よりも処理が早い。また、音声の構成は瞬間的な理解を訓練できる仕様になっています。例えば「To」のフレーズ音声なら「go to the station, get to the station, come to me, give it to you…」と間を空けずに連続的に続きます。次のフレーズが読み上げられる前に意味を捉えられるまで繰り返せば、ネイティブの速度についていけるようになるでしょう。
また、少し別の視点から述べると、英語学習として英検2級程度の単語と文法知識が備わっている人はそれまでの知識をネイティブ的な発想までブラッシュアップする方針を有力視しています。難しい単語を覚えるよりも、句動詞を含む基本単語全般を使いこなすこと。例えば、本書なら「hand in, turn in」や「deal with, work through」の違いなどを知ることにあたります。こうした基本知識のブラッシュアップに使いやすい書籍として捉えるとよりいっそう本書の価値は上がります。
一説によれば、2000語の単語で日常会話の80%、4000語で90%以上を理解できるとして『4000 ESSENTIAL ENGLISH WORDS 1(2nd Edition)』という書籍も出版されています。英検2級の語彙は約5000語レベルとされ、文法知識に関しては専門分野を除くと頭打ちになります。海外旅行レベルなら2000語でも全く問題にならないでしょう。私たちの日常会話に置き換えて考えるとわかりますね。日本英語の最大の問題点は使えない知識を増やす方針を許容してしまうところにある気もします。英検1級は称賛されるべきことですが、実際は英検2級でも流暢に話せるならそれが理想のはずですから。