タイトル | スピーキングのための英単語帳 スピタン888 | |||||||||||
出版社 | アルク | |||||||||||
出版年・価格 | 2024/4/12 1980円 | |||||||||||
著者 | 関 正生、桑原 雅弘 | |||||||||||
目的・分類 | スピーキング用の単語 | |||||||||||
問題・ページ数 (完成日数) | 376ページ 888語 | |||||||||||
総合評価 | ||||||||||||
対象・到達レベル (偏差値目安) | 日常学習 (ALL) | 教科書基礎 (40~45) | 教科書標準 (45~50) | 入試基礎 (50~55) | 入試標準 (55~65) | 入試発展 (65~70) | ||||||
対象・到達レベル
・中学英文法を終えた人、大人の学び直しにも最適
・簡単なフレーズを場面ごとに習得できる
・会話の単語を知ることができる
時間のない受験生にはオススメできませんが、大人の学び直しや簡単な日常会話を目的にする人にはオススメできる日常学習向け参考書です。見出し語の単語レベルはだいたい中学~高校入門になっているため、最初から会話を目的にする人なら本書を英単語の最初の一冊にして学んでも良いと思います。意外と小学生にもちょうど良いかもしれません。
本書の構成
[Chapter1]実は使い勝手抜群の便利単語
会話を始める/意見を伝える/好き嫌いや気持ちを伝える
[Chapter2]場面別で活躍する頻出単語
雑談/交通・旅行/日本紹介/身体のこと/電子機器・インターネット/日常生活
[ページ情報]
1.分類 2.音声トラック番号 3.見出し語 4.見出し語日本語訳 5.アイコン 6.派生語・関連語 7.例文 8.語注 9.コメント 10.イラスト
本書の特徴としては「会話の単語」と「自然な例文」、「適度な量」の3つを挙げます。「会話の単語」とは、私たちが受験英語などで覚える意味からは想像できないような会話特有の意味を持つ単語です。例えば、「go」は「行く」という意味ですが、「How’s it going?」となれば「調子はどう?」という意味に変化します。こうした変化が会話表現には多くあるため、スピーキングの力を高めるには「会話の単語」を改めて覚える必要があるわけです。
そして、本書は出版年が新しいこともあって不自然な英文がない安心感もあります。ネイティブチェックが入った英文とは言え、今から10年も20年も前のフレーズ集などでは使わなくなってしまった表現があります。日常会話は時代の影響を受けやすいのです。「How are you?→I’m fine thank you.」の時代は過ぎ去りました。
また、スピーキングはフレーズ集こそ充実しているものの、単語帳はどこか子供騙しのようなものばかりで大学受験からの接続を意識したものもほとんどありません。本書の888語は量が多すぎず、受験英語で覚えた単語帳と似たレイアウトになっている点も取り組みやすいと思います。
一億人の英文法+スピタン888+ネイティブの句動詞
一通り受験英語でリーディングとリスニング、ライティングを学んだら、本格的にスピーキングを始めたい人も多いでしょう。しかし、大学受験の巨大な需要を傍目に、スピーキング向けの参考書で使いやすいものはそれほどありません。大学受験向けの参考書は使いにくければ全く売れないけれど、評判になれば一攫千金と言えるほど売れるため、企業努力と競争によって洗練されたものが店頭には並べられています。
最近になってようやく「TOEICのS/W試験」や「英検の二次対策」の参考書がほんの少しずつ充実してきているかもしれないというのが現状です。それでも日本人のスピーキングに対する消極性からか、なぜだかあまり売れている様子がありません。そんな中でスピーキング向けにオススメできる参考書を挙げるとしたら、本書と『一億人の英文法』、『ネイティブの句動詞』です。スピーキング以外の技能をそれなりに伸ばしたのであれば、スピーキングだからと言ってゼロから積み重ねることにはなりません。
英米的な発想を学べる文法書に加えて、会話の単語(スピタン)と熟語(句動詞)を押さえるだけで日常会話は十分です。第一に基本となる思考とフレーズ(単語と熟語の例文)から日常会話の解像度を上げたあと、生の教材(映画やニュース、動画など)から様々な表現やニュアンスを獲得していくだけです。なお、『ネイティブの句動詞』よりもさらに句動詞の表現を学びたいなら『DUO elements』がオススメ。単語帳の『DUO3.0』とは違い、ピクトグラムによって990の句動詞をイメージできるようになっています。