『国公立標準問題集 CanPass 数学IA・IIB・IIIC』—レベル・難易度・使い方・国公立二次試験対策の定番【レビュー】

タイトル国公立標準問題集 CanPass 数学IA・IIB・IIIC
出版社駿台文庫
出版年・価格2023年10月 1320~1430円
著者桑田 孝泰 古梶 裕之
目的・分類入試標準固め(記述対策込み)・アウトプット型問題集
問題・ページ数
(完成日数)
数学IA・IIB…124題 数学IIIC…60題
総合評価
対象・到達レベル
(偏差値目安)
日常学習
(ALL)
教科書基礎
(40~45)
教科書標準
(45~50)
入試基礎
(50~55)
入試標準
(55~65)
入試発展
(65~70)
※[入試基礎=日東駒専・共通テスト・地方国公立] [入試標準=MARCH・標準~上位国公立(地方医学部含む)] [入試発展=早慶・旧帝大・医学部・一橋・科学大(旧:東工大+東京医科歯科)]

対象・到達レベル

・高校数学の教科書~入試基礎までをしっかり終えた人(到達レベル:偏差値55~60まで)

・地方国公立~標準的な国公立まで(合格水準の問題を固める)

問題数

全国の国公立大学の過去問から良問のみを集めています

・数学IA・IIB…124題 数学IIIC…60題

 本書の問題数で足りないと感じた場合、同じレベル帯の『入試の核心(標準編)』も使用しましょう。この手の問題集は過去問に取り組むよりも、効率的に入試標準レベルの解き方を学べます。

本書の構成

数学IA・IIB…第1章「整数と論証」、第2章「数と式」、第3章「2次関数、2次方程式、2次不等式、高次方程式」、第4章「三角比と図形」、第5章「場合の数と確率」、第6章「図形と方程式」、第7章「三角関数」、第8章「指数関数・対数関数」、第9章「微分法」、第10章「積分法」、第11章「数列」、第12章「平面ベクトル」、第13章「空間ベクトル」、第14章「図形」、第15章「データの分析」、第16章「確率分布と統計的な推測」

数学IIIC…第1章「複素数平面」、第2章「式と曲線」、第3章「関数と極限」、第4章「微分法」、第5章「積分法」、第6章「微分方程式」

 主に地方国公立~標準国公立から出題された良問が集められています。特に国公立二次試験では共通テストで問われない数学IIICが頻出なので、本書の『数学IIIC』は特にオススメです。

良問揃い、記述対策もできる優れた問題集

 本書は国公立大学で問われやすい基礎~標準レベルの良問を集めた問題集になります。志望大学の過去問に取り組む前に、本書で取り上げられている問題と解法を身につけておくことで円滑に接続できるようになるでしょう。ただし、基礎固めを終えていないと、得るものが少なくなるため、まずは白チャートや入門・基礎問題精講、場合によっては共通テスト対策まで仕上げてから取り組むのがオススメです

 私立大学ならMARCHレベルまで対応していますが、私立は国公立より大学独自の問題が出題されやすい傾向にあるため、部分的に取り入れるか、過去問分析から分野別に絞った対策をした方が効果は大きいかもしれません。本書の難易度からして取り組んでおいて損はありませんが、趣旨からはやや外れると言ったところです。

 その場合、『文系の数学 重要事項完全習得編(理系なら数IIIも)』に取り組み、文系数学ならさらに『実戦力向上編』に進むのがオススメです。実戦力向上を終えた段階でMARCH、上智理科、国公立上位(旧帝除く)までに対応できる力はつくため、そこから過去問演習に入るのがベストと思います。

 まとめると、本書は難易度的に地方国公立~標準国公立あたりを目指す人にちょうど良い(特に数IIIC)。本書を仕上げて過去問演習に移れば合格水準に達するでしょう。それより上の大学を目指す人は本書に取り組むより、もう少し問題数の多いものに取り組むか、志望大学に合わせた別の問題集を取り組むのがオススメです。

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