タイトル | キクブン270聞いて覚える重要英語構文 | |||||||||||
出版社 | アルク | |||||||||||
出版年・価格 | 2006/9/25 絶版 | |||||||||||
著者 | 小嶋 利良 | |||||||||||
目的・分類 | 英語構文 | |||||||||||
問題・ページ数 (完成日数) | 292ページ | |||||||||||
総合評価 | ||||||||||||
対象・到達レベル (偏差値目安) | 日常学習 (ALL) | 教科書基礎 (40~45) | 教科書標準 (45~50) | 入試基礎 (50~55) | 入試標準 (55~65) | 入試発展 (65~70) | ||||||
対象・到達レベル
・中学から大学入試基礎レベルまでの構文
・構文の知識を整理したい人、基礎的な構文を網羅的に押さえたい人
・地方国公立、中堅私大、共通テストまでに対応
すでに絶版となってしまっていますが、英語構文を網羅的に扱っている参考書は数がほとんどなく、メルカリやブックオフなどの中古ショップでならまだまだ手に入れることができます。全体的に構文のレベルとしては高くなく、絶対に覚えておきたい構文がまとめられているため、英作文の学習にも接続しやすくなっています。
本書の構成
[Part1] itでまとめて表現する構文
[Part2] 英語の発想で組み立てる構文
[Part3] 動詞で文の形が決まる構文
[Part4] 名詞で意味のまとまりをつくる構文
[Part5] 感情の彩りを添える構文
[Part6] 時空を旅する構文
[Part7] 比べて表現する構文
[Part8] 部分と部分を繋ぐ構文
[Part9] 表現にバリエーションをもたらす構文
※無料音声CD付き
構文を網羅的に扱っている有名な参考書は『解体英語構文』や『英語の構文150』あたりだと思います。しかし、構文を覚えるためにはそれらを使わなければならないわけではなく、今では熟語帳に構文も含まれているというのが実情です。20年ぶりに改定した『速読英熟語』も約200構文も含んでいます。
では、わざわざ本書をはじめとした構文集を購入する利点とは何か?というと、構文を深く理解して整理できる点に尽きると思います。熟語帳に含まれる構文は熟語と同様に扱われているため、あまり詳細な解説となっていません。その点で本書のような構文のみを扱っているものは、一つ一つの構文の成り立ちから覚え方までを詳細に解説しています。本書は『英語の構文150』よりもコンパクトで一対一対応の解説が周回しやすい利点です。
英語の構文150、解体英語構文との比較
まず、本書の構文のレベルは『英語の構文150』とそこまで変わりません。270の構文を集めているとは言え、分詞構文や複合関係代名詞、「be to 不定詞」などで多めにカウントされています。逆に『英語の構文150』は派生する構文をカウントしていないために実質200以上はあります。この意味で言うと『速読英熟語』も近いレベルにあります。どれも中堅私大や地方国公立なら十分と言えますが、難しい構文の出題頻度が下がった現代受験英語では一冊仕上げるだけで(一部の学部を除く)早慶まで通じても不思議ではありません。
一方、『解体英語構文』はそれらよりもやや難しい構文も含まれているため、早慶志望なら解体英語構文を推します。しかし、構文の解説としては最低限に留まり、ほとんど熟語帳のそれと変わりません。加えて、2006年に改訂されて以降、2024年現在も改訂されておらず、無料音声も付いていません(旧版ならヒアリングCDが存在するも入手困難)。そういった事情から積極的に採用しにくいものの、意外と代替が利かず、採用され続けています。
先に述べたように今では構文も熟語帳に含まれている、もっと言えば、文法語法問題集でも自然と触れられるため、必須の参考書ではありません。ただ、本書のように基本的な構文がまとめられ、ひとつひとつに解説が添えられているものは英作文の素材として捉えると有用です。英作文に本格的に取り掛かる前に、本書で知識を確認・整理すると良いでしょう。また、確かに構文暗記だけなら熟語帳を推奨しますが、どうしてもややこしく感じる比較表現あたりを覚えるなら解説付きがより良いこともあります。なお、構文を含む熟語帳のオススメは『キクジュク』です。(同じアルク出版で)まとめ方が本書に近くて扱いやすく、レベルの高い構文も『キクジュクSuper』によくまとまっています。