語彙力をつける 入試漢字2600―レベル・難易度・特徴・評判【レビュー】

タイトル語彙力をつける 入試漢字2600
出版社筑摩書房
出版年・価格2019/10/11
著者円満字 二郎
目的・分類大学入試向け漢字対策
問題・ページ数
(完成日数)
272ページ
総合評価
対象・到達レベル
(偏差値目安)
日常学習
(ALL)
教科書基礎
(40~45)
教科書標準
(45~50)
入試基礎
(50~55)
入試標準
(55~65)
入試発展
(65~70)
※[入試基礎=日東駒専・共通テスト・地方国公立] [入試標準=MARCH・標準~上位国公立(地方医学部含む)] [入試発展=早慶・旧帝大・医学部・一橋・東工大(科学大)]

対象・到達レベル

・大学入試の漢字対策

・語彙力の強化に重きを置くため、大人の学び直しにも最適

 本書は一般的に流通する漢字問題集の形式と同様ですが、最大の特徴は語彙力を強化することにも重きを置いていることです。多くの漢字問題集は少しばかりの意味の説明を添えるだけで、単純な漢字対策としてしか機能しないものでした。しかし、本書は漢字のつくりから意味を理解できるように、ひとつひとつにしっかりとした説明を添えています。これは非常に素晴らしい試みです。

理想的な漢字問題集

 現代文の成績を伸ばすためには、第一に語彙力を強化することが重要です。言葉を知らなければ始まりません。このとき、『中学国語力を伸ばす語彙1700』や『国語力を高める語彙1560』などの語彙力を強化する参考書に取り組む必要があるのですが、文章中の割合を考えると漢字の方が優先順位が高いのは明らかです。

 しかし、一般的な漢字問題集では「漢字の読み書き」ができるようになることに主眼が置かれているため、文章中の漢字の意味を正確に理解できる力は培われているようであまり培われていません。それは英単語で言うところの語源の知識によって未知の単語を類推する力がつくように、漢字も一字ごとに込められた意味や熟語のつくりに踏み込んだ説明に触れることで根本的な理解が進みます

 その点で本書は唯一無二かもしれません。様々な漢字問題集に目を通しましたが、この形式は今まで見たことがありませんでした。出版年も比較的新しく、大学入試の漢字対策としても2600は十分な量です。漢字対策は国語のみならず、他の科目の専門用語の理解と慣れにも繋がります。文章の解像度が上がり、参考書の情報をよりいっそう上手に吸収できるようになるでしょう。なお、『上級入試漢字・語彙』も負けず劣らずの理想的な漢字問題集なのでオススメです。

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