製品名 | スリーエム(3M) PELTOR イヤーマフ | |||||||||||
メーカー | スリーエム(3M) | |||||||||||
素材 | ヘッドバンド:ステンレス、熱可塑性樹脂、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアセタール樹脂 カップ:ABS樹脂、熱可塑性樹脂 インサート:ポリウレタン 耳あて:ポリウレタン/塩化ビニル/ABS樹脂 | |||||||||||
重量 | 220g | |||||||||||
遮音値(NRR) | 24dB | |||||||||||
評価 | ||||||||||||
レベル | 日常学習 | 教科書基礎 | 教科書標準 | 入試基礎 | 入試標準 | 入試発展 | ||||||
※入試基礎=日東駒専、地方国公立 入試標準=MARCH、関関同立、準難関国公立(地方医含む) 入試発展=旧帝大上位、早慶、医学部
対象・到達
【対象】
・最大まで集中力を高めて勉強したい人
・騒音環境で勉強に集中できない人
【到達】
・限りなく無音の世界で至高の勉強時間が訪れる
本製品はスリーエム(3M)から販売されているイヤーマフです。イヤーマフとは遮音性を高めた耳当てのこと。一般的には耳栓がポピュラーですが、イヤーマフは耳栓よりも音の振動を伝わりにくくする多重構造になっているために遮音性は頭一つ抜けて高くなっています。「耳栓+イヤーマフ」の組み合わせで限りなく無音の世界で勉強できるようになります。
イヤーマフはマイナーメーカーからも多数販売されているため、どれを買った良いか悩む方もいると思います。その点ではスリーエムが最も有名で無難な選択肢です。私はスリーエムとマイナーメーカーのもの(どちらもamazonでは高い評価)を購入したのですが、耐久性と遮音性に関しては正直どちらもあまり変わらず、デザインや値段で決めてしまっても問題ないと思います。個人的にはスリーエムが好み。
勉強をする際にイヤホンで音楽を聴きながら取り組む方もいるかもしれませんが、歌詞のある曲を聴くと脳のリソースを奪われて集中力を下げると言われています。これは人間の脳はマルチタスクができているようでできていない、シングルタスクを高速で切り替えているに過ぎないからです。要するに人間は一つの物事にしか集中できません。車の運転中に話しかけられると集中力が下がる実感があるでしょう。物事に慣れれば慣れるほど“ながら作業”ができるように感じますが、それは集中力を必要としない作業に限り、高い集中力を必要とする勉強では現実的ではないのです。なお歌詞のない曲(できたら感情を動かさない穏やかな曲)であれば、集中力を高める効果があると言われています。
イヤーマフの遮音性能
本製品の遮音値は「24dB(デシベル)」です。dB=デシベル=音の大きさの単位。例えば、地下鉄の車内だと80dBくらいですが、本製品を装着すると「80dB-24dB=56dB」となって道端での日常会話くらいの音の大きさになる計算です。安価に買えるイヤーマフの中でも遮音値が高いものだと「33dB」、本製品(X2A)の「24dB」は長時間の装着に適したタイプなので軽量な分、遮音値は少し控え目になっています(X5Aなら31dB)。ちなみに耳栓の遮音値は20~25dBなので、イヤーマフの方が遮音性能はやや高めです。
では、イヤーマフと耳栓を併用した場合の遮音性能はどのくらいか。これは単純な和ではなく、イヤーマフの遮音値に数dBを加えた程度の変化になるようです。例えば、本製品(X2A)に耳栓を加えると「30dB」くらいの遮音値になります。個人的な体感として遮音値「30dB」になると他人の話し声はほぼ聞こえなくなります。
では、通常のイヤホンとヘッドホンの遮音値はどのくらいか。イヤホンは耳栓と構造が近く、遮音値は10~15dBくらい。ヘッドホンはイヤーマフと構造が近く、遮音値は15~20dBくらいです。これだけ見るとそこまで差がないように感じますが、イヤーマフは耳に密着して漏れ聴こえてくる心配がほとんどありません。
集中とパフォーマンス
無音の環境で高い集中力が発揮されること自体は良いことですが、本番の試験では雑音を遮断することができません。それなら「雑音の中で普段から勉強して集中できるようになれば良い」と考えるかもしれません。確かに東大に合格するような子の中には普段から雑音の多いリビングで勉強する習慣があったから、どんな環境でも高い集中力を発揮できるといった話を聞くこともあります。しかし、全ての子に当てはまるわけではなく、そもそも雑音は集中力を阻害するものであることには変わりません。集中したいのに雑音によって集中できないと、どんな環境であっても集中できない子になってしまうかもしれないわけです。
では、どうすれば良いのか。個人的な結論として、試験会場では誰であっても多かれ少なかれパフォーマンスは落ちる前提で取り組むことです。自分自身が最も集中できる環境でのパフォーマンスを「100」としたら、試験会場では「70~80」になってしまうことを最初から受け入れます。ある意味、集中することを諦めて得点だけは落とさない実力を身につける方針です。覚悟も想定もしないまま、例えば試験会場で激しく咳き込む人と隣り合っただけでパフォーマンスが大きく落ちてしまうのはもったいない。他方で「集中する方法」に関しては様々な理論があるので、自分に合った方法を見つけておくのも手かもしれません。
しかし、集中する方法は意識的に身につけるものではなく、何か好きなこと楽しいことに夢中になっていたら勝手に身につくという線が濃厚な気もします。つまり、試験を心から楽しむ気持ちをつくる方が大切です。少なくとも私は集中しようと思ってもできないと割り切ってしまっています。イヤーマフによる集中も、無音に近い環境が勝手に集中状態へ導いてくれる感覚です。集中状態は無意識的。「集中するぞ!」と意識的な集中を試みるのではなく、意識的に無意識を準備する方が効果があるだろうと思います。