数学 入門・基礎問題精講[新課程対応版]—ハイスタンダードな一冊・レベル・使い方・完成日数【レビュー】

タイトル数学 入門・基礎問題精講
出版社旺文社
出版年・価格2022/7/14 1320円~
著者(入門)池田 洋介、(基礎)上園 信武
目的・分類教科書~入試基礎固め用参考書
問題・ページ数
(完成日数)
300ページ~
総合評価
対象・到達レベル
(偏差値目安)
日常学習
(ALL)
教科書基礎
(40~45)
教科書標準
(45~50)
入試基礎
(50~55)
入試標準
(55~65)
入試発展
(65~70)
※[入試基礎=日東駒専・共通テスト・地方国公立] [入試標準=MARCH・標準~上位国公立(地方医学部含む)] [入試発展=早慶・旧帝大・医学部・一橋・東工大(科学大)]

対象・到達レベル

・高校入門~基礎レベルを学習したい人

・入門問題精講:教科書基礎 到達レベル:偏差値40~45 ※白チャートならコンパス1・2

・基礎問題精講:教科書標準~入試基礎 到達レベル:偏差値45~55 ※白チャートならコンパス3・4・5

 入門問題精講は定期テストでコンスタントに90点以上獲れているようなら省いてしまって構いません。ただし、もともと数学はIA<IIB<IIICと難易度に明らかな差があり、特に数学IIICは理系になれるかどうかをふるいにかける難易度になっています。もし、入門問題精講で少しでも難しいと感じたら、マセマ出版シリーズの『初めから始める数学IIIC』を推奨します。

本書の構成・問題数・完成日数

『入門問題精構』数学IA―360ページ、数学IIB―392ページ、数学IIIC―448ページ

『基礎問題精構』数学IA―304ページ、数学IIB―360ページ、数学IIIC―304ページ

『入門問題精講』数学IA―1日0.5章約18日、数学IIB―1日0.3章約30日、数学IIIC―1日0.3章30日

『基礎問題精講』数学IA―1日10問15日(154題)、数学IIB―1日6問30日(183題)、数学IIIC―1日5問30日(137題)

 完成日数は目安にもならない目安です。使える時間と労力、理解力にはかなりの個人差があります。各処で語られる完成日数はあまり参考にせず、自分の理解をきちんと優先しながら進みましょう。それができるなら1日に2、3題であっても気にすることは全くありません。

 なお、受験終盤は例外としても、基本的に勉強する科目数は1日に2つに留めるのがオススメです(復習科目はカウントせず)。新しく勉強する内容は想像以上に負担がかかります。その負担に耐え切れないと脳が判断すると途端にいい加減な理解で楽をしようとしてしまいます。6時間を超えるような長時間の勉強も実は集中できていない場合が少なくないため、集中力が低下したあとは負担の小さい復習を積極的に取り入れます。数学・物理、国語・歴史、国語・英語、生物・化学などの組み合わせは相乗効果を生みやすいので参考までに。

入門は講義系問題集、基礎はチャート式に近い

 入門問題精講の構成としてはテーマごとに『講義→基本問題』が繰り返される形です。現役生の授業の補助教材としても優秀です。本格的な受験勉強を始める前の基礎固めとして、チャート式よりもコンパクトに扱える本書もオススメの選択肢になります。

 一方、基礎問題精講の構成はほとんどチャート式に近い『基本問題→解説講義』の形式です。解説の充実度で言うと、チャート式よりも問題数が絞られている分だけ基礎問題精講の方がやや充実しています。問題精講シリーズは一貫して単純な解法暗記ではなく、講義調で理解を促す意図を感じます。ちなみにさらに講義の色が濃い参考書は「マセマ出版シリーズ」です。

チャート式より万人向き

 万人に薦められる参考書・問題集という意味では、チャート式よりも本書です。個人的に白チャートはかなり優秀な参考書と思っていますが、勉強に不慣れな、特に学生には気軽に薦めにくい。最初から難関大を視野に入れているとしても、チャート式は人と環境を選びます。

 他方で、基礎問題精講は問題数の少なさによって点数が安定しないという欠点も指摘されますが、現役高校生であれば学校のテストや模試、塾の問題演習などで本書+αに十分取り組めている可能性があるため、本書の問題点は自然と解決され得るものと思います。

 しかし、本当の意味で本書だけで十分か?と問われると、心許ないのは事実です。やはり基礎ほど網羅性を求めたくなり、そこで白チャートを推したい気持ちが個人的にはあります。基礎は長期的な伸びしろとなり、盤石な基礎力は難関大に通用する下地でもありますから、くどいくらいにこだわりたいところなのです。

 ただ、最初から難関大を目指すつもりはなく、地方国公立やMARCHあたりを目指したいという人には本書は良い選択肢だと思います。本書で解法の暗記と理解を促したあと、アウトプット型問題集で共通テスト7~8割、私立一般・国公立二次の合格点を狙っていく戦略は悪くありません。いずれにしても、足りないなら補完していくだけの話ですから、そこまで難しく考えることもありません。

追記:入門・基礎問題精講より『チャート式』を軸にした方が長期的にはより良いかもしれません。チャート式は膨大な問題数が長所でもあり短所でもありましたが、部分利用を軸にすれば解決できる可能性が高く、さらに将来的に便利な辞書利用も視野に入れると入門・基礎問題精講より優れています。特に白チャートであれば、解説も丁寧で基礎固めとして必要十分なはずです。問題精講は時間の無い中での厳選・逆転型の方針で採用するかどうかといったところに落ち着くかもしれません。

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