改訂版 究極の英単語Vol. 1~4 3000語×4=12000語―レベル・難易度・特徴・評判【レビュー】

タイトル改訂版 究極の英単語Vol. 1~4
出版社株式会社アルク
出版年・価格2024年4月・1980~2200円
著者株式会社アルク 出版編集部
目的・分類日常学習・網羅系単語帳
問題・ページ数・完成日数約500ページ
総合評価
対象・到達レベル
(偏差値目安)
日常学習
(ALL)
教科書基礎
(40~45)
教科書標準
(45~50)
入試基礎
(50~55)
入試標準
(55~65)
入試発展
(65~70)
※[入試基礎=日東駒専・共通テスト・地方国公立] [入試標準=MARCH・標準~上位国公立(地方医学部含む)] [入試発展=早慶・旧帝大・医学部・一橋・科学大(旧:東工大+東京医科歯科)]

対象・到達レベル

・とにかく語彙力を強化したい全ての英語学習者

・SVL(Standard Vocabulary List)に基づく使用頻度順12000語

・あらゆる試験(英検、大学入試、TOEFLなど)に向けた日常学習に最適

 本書はSVLに基づいた被りの無い12000語を収録しています。SVLとは?

アルクが長年蓄積してきた膨大な英文データから「日本人英語学習者にとっての有用性」「ネイティブスピーカーの使用頻度」を基準に選び出した、12000語の重要英単語リスト、標準語彙水準12000(Standard Vocabulary List[略称SVL12000])。

https://www.alc.co.jp/

 大学受験用の入試で用いられる膨大な英文データから単語を抽出するように、SVLはアルク独自の実用的な英語を基準にして厳選された12000語ということですね。厳選と言っても被り無し12000語ということで過不足がなく、このコンセプトの単語帳はありそうでなかったものになります。

 また、おそらく試験対策なら『英検』で最も有用です。英検は本書のコンセプトに近く、特に英検1級では語彙は無制限になるため、対策しにくい英検1級用単語帳として本書の『4』はオススメです。TOEIC対策もできると謳われていますが、TOEICは語彙力はあまり求められず、TOEIC力(速読速聴と傾向対策)であり、本書のコンセプトからはやや外れます。本書より金のフレーズなどのTOEIC専用の書籍が(当然ながら)圧倒的に有用です。

本書の構成

LEVEL1~LEVEL12まで各1000語を収録(LEVEL3ごとに1冊)

重要単語には例文付き(おおよそ1冊につき500~600例文収録)

無料音声ダウンロード(センテンスとワードリスト)、各試験対策を単語によってポイント解説(おまけ程度)

 旧版では音声CD(約3000円)を別途購入する必要がありましたが、改訂版は無料で音声ダウンロードが可能です。今回の改訂によって、より現代に即した英単語を抽出した形になります。※旧版(2006年出版)

 なお、注意点としては膨大な単語数を収録している都合上、初版では誤植の可能性があります。この手の単語帳にはよくある問題です。初版購入にこだわりがないなら、誤植情報が出揃ってから第二版以降を購入した方が無難かもしれません。

オススメの使い方

 本書の最大の利点と言っても過言ではないものが「ワードリスト(WL)音声」です。かねてより音声は英語のみが理想と述べているように、本書のWL音声はリスト順に単語を読み上げていく理想的な形式になっています

 単語は視覚情報から覚えただけでは音からの記憶想起が機能せず、リスニングにおいても得点を伸ばせません。そこで単語の音声を利用するわけですが、日本語が混じる音声では「音→意味」の確認を効率的に行えないのです。単語の音を聴いて0.1秒で意味を認識する訓練。日本語音声は単語を覚える初期段階として有効かもしれませんが、毎回必要なものとは正直思えません。

 もちろん、日常会話やリスニングは単語ではなくてセンテンスですから、センテンスになった際のリンキングの事情をまた別で理解し、センテンスの音に認識を拡張する必要があります。最初からセンテンスの音に慣れた方が効率的とも思わなくもありませんが、正しい発音は「アルファベット→単語→フレーズ→センテンス」の順序で行う方がより良い気はします。私たち日本人も最初に50音を学んだはずですから。

日常学習に最適

 本書の被り無し12000語は『基礎から上級までの単語』をとにかく網羅したい人にはかなり有用なコンセプトになっています。現代の単語帳の形式としてはそこまで凝っているものではないものの、単語は覚えられれば何でも良いと考える人にとっては必要十分なものです。

 また、私たち日本人の英語学習はどうしても試験対策に迫られている部分が大きかったため、本書のように実用性の高さを基準に選定されたものは受験英語しか知らない人にとっては新鮮に映るかもしれません。さすがに受験生には大学受験用の単語帳を薦めますが、差し迫った試験のない子供から漠然と英語学習を継続したい大人まで使い勝手の良いものになっています。

 日本語で言うと、桜や紫陽花、タンポポのような植物の名前から人間の臓器、身の回りの道具など日常会話でそこそこ現れる基本単語も、英語になると全く分からない人も少なくありません。海外の論文に登場する難しい単語を知っているのに、なぜキッチンにあるものを知らないのか。このギャップにネイティブはよく驚きます

究極の英単語プレミアムと合わせると12000語+2000語

 姉妹書である『究極の英単語プレミアム』は、海外の大学生・院生が専門分野で用いる単語も含まれるレベルの高い単語帳になっています。出版も2020年と比較的新しい。英単語に関してはどこまでどれだけ覚えたら良いのかわからなくなりますが、ひとまず14000語レベルまでは本書のシリーズが建設的な基準になると思います。基本的に12000~14000語も覚えてしまえば、その語彙力はどんな場面でも力を発揮します。

 ただし、上級英単語ほど目的に応じ、さらに日本人向けの書籍に頼らない視点も大切と思います英検準1級以上なら、英英辞典を利用したり、英語学習者向けの洋書を購入したりする方が安心です日本の書籍は著者や編集者の独断によって、ネイティブの感覚から遠ざかるものも少なからずあります。上級ほどドメスティックな学習は本末転倒の結果を招きかねません。この点で言うと、プレミアムの評価は分かれます。

 ちなみに私たち日本人は大人であれば、おおよそ3万~5万程度の語彙を備えていると言われ、英語ネイティブにおいても同程度と推定されています。日本人からすれば英単語12000語と言うと、完全な英語上級者向けと認識したくなりますが、それで言えばたかだか12000語ではあるわけです。『上級』と言うだけで未知の難しさに慄かず、「単語なんてアルファベットの羅列と意味の組み合わせに過ぎない」と割り切るマインドは意外と大切だと思います。

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