初めから始める数学IA・IIB・IIIC―レベル・使い方・難易度・完成日数・特徴【レビュー】

タイトル初めから始める数学IA・IIB・IIIC
出版社マセマ出版
出版年・価格2023/7/12 1485円
著者馬場 敬之、高杉 豊
目的・分類高校数学基礎固め
問題・ページ数
(完成日数)
256ページ
総合評価
対象・到達レベル
(偏差値目安)
日常学習
(ALL)
教科書基礎
(40~45)
教科書標準
(45~50)
入試基礎
(50~55)
入試標準
(55~65)
入試発展
(65~70)
※[入試基礎=日東駒専・共通テスト・地方国公立] [入試標準=MARCH・標準~上位国公立(地方医学部含む)] [入試発展=早慶・旧帝大・医学部・一橋・東工大(科学大)]

対象・到達レベル

・高校数学を基礎の基礎から丁寧に取り組みたい人

・到達レベル(偏差値40~45)、教科書基礎を押さえられる

 これより丁寧に解説する本は他にない講義系参考書になります。入門問題精講よりも易しく、完全初心者が独学するにも適した参考書です。ただ、教科書基礎レベルを少ない問題数で押さえるため、入試対策としては足りず、次の『元気が出る数学』シリーズまで終えてようやく教科書レベルを理解したと言えます。

 そして、並行して販売されている『初めから解ける問題集』『元気に伸びる問題集』を押さえることで入試基礎レベルを盤石なものにできるようになっています。その場合、偏差値50~55までの大学に対応可能。

構成・問題数

数学IA 256ページ(I)・211ページ(A)・合計約100題

数学IIB 268ページ(II)・184ページ(B)・約140題 

数学IIIC 243ページ(III)・255ページ(C)・約120題

 いずれも掲載されている例題は白チャートコンパス1レベルになります。『初めから解ける問題集』は1~2、『元気が出る数学』は2~3、『元気に伸びる問題集』は3~4です。問題集(各100題前後)まで加えれば、入門・基礎問題精構と同程度の網羅性になります(難易度は基礎問の方がやや上)。なお、問題集の形式はチャート式・基礎問題精講とほとんど同じです。

マセマ出版シリーズが向いている人とは

 講義系参考書なので、実際に講義を受けているような感覚に浸れる文体が特徴です。数学が苦手な生徒に配慮しながら進めていくので、文体が肌に合うなら本当に数学嫌いも克服できるかもしれません。チャート式や入門・基礎問題精講の解説もそれぞれわかりやすいものですが、本書は頭一つ抜けて懇切丁寧に教える姿勢が伝わってきます。

 しかし、今はyoutubeやアプリによる講義動画の充実もあって数学に苦手意識がある人はそちらを利用するのではないかと思います。チャート式は網羅性と解法暗記の相性が良く、基礎問題精講は理系向きの簡潔な説明が万人受けしやすい。その中で本書が向いているとしたら、講義調の文章を読んで理解することが好きな人、国公立志望の文系、理系の中でも数学IIICに苦労している人あたりが思い浮かびます。

 今は講義動画が充実していると言っても、かねてより話し言葉での理解は補助的なものに留めた方が良いと個人的には思いますから、文章での理解を求めていく姿勢はとても良いものです。わからない箇所があるたびに先生の解説に頼るではなく、自ら調べたり、参考書を読み込んだり、自己解決を図っていく人でなければ合格はできませんからね。

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