必携英語表現集―レベル・難易度・特徴【レビュー】

タイトル必携英語表現集
出版社数研出版
出版年・価格2016/3/3 979円
著者竹岡 広信
目的・分類英語例文集
問題・ページ数318ページ
総合評価
対象・到達レベル日常学習教科書基礎教科書標準入試基礎入試標準入試発展
※全統模試目安 [教科書基礎=40~45][教科書標準=45~50][入試基礎=50~55][入試標準=55~65][入試発展=65~70]
※入試基礎=日東駒専、地方国公立 入試標準=MARCH、関関同立、準難関国公立(地方医含む) 入試発展=旧帝大上位、早慶、医学部

対象・到達レベル

【対象】
高校の文法問題集を終えた人
・英作文や英会話に役立つ表現を学びたい人
・音読教材を探している人

【到達】
・800の必携英語表現が身につく
・音声表現を身につけながら文法、熟語を復習できる

 本書は大学受験用の英作文対策としても機能しますが、コンセプトとしては英語4技能のうちライティングとスピーキングの力を伸ばす英語表現集になります。英文につき1つの空欄を埋める問題集の性質を持っているため、音読しながら熟語と構文の確認もできるようになっています。

 対象は、高校英文法を一通り終えた人。日常学習に分類していますが、偏差値で言うと50~60まで、文法問題集を終えた人が網羅しにくい熟語と構文を復習するのに適した内容にもなっています。竹岡先生の書籍らしく1問ごとに丁寧な解説と難易度表記が付属し、コラムとして「on footのfootは単数形?」など知的好奇心を刺激するものが取り上げられています。音声は「日→英」「英→日」の2種類がダウンロード可能です。

identify with~ 「~に感情移入[共感]する」

identify A with B は「Aが(ぴったり)Bと同じであると確認する」の意味で、identify with ~はidentify oneself with ~「自らを~と同一視する」→「感情移入する」からoneselfが省略された形だと考えましょう。「子どもたちがテレビのヒーローに感情移入する[なりきる]」などの文脈で使われます。

必携英語表現集 P234より引用

 このように1問ずつ解説が付属しているため、表現の理解も深めやすくなっています。

英作文の音読教材として

 本書を現役生に薦めるとすれば、熟語と構文の復習、および英作文用の例文暗記としてです。竹岡先生とネイティブスピーカー3名によって頻出表現をまとめていますから、全体的に自然な表現で応用が利きやすいと思います。ただ、英作文対策なら『竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本』を優先し、本書は補助教材として用いるのがオススメです。

 他方で大人の学び直しでは英作文というより、英会話目的での使用になるでしょう。英会話と言っても、いわゆるフレーズ集ではなく、本書の英文を軸に文法と熟語、構文の知識を応用して表現を広げるためのものです。『速読速聴・英単語 Opinion1100 ver.2』のような自分で意見を言うための土台になるかもしれません。

 本書のような表現集は意外と数が少なく、同じく竹岡先生の『よくばり英作文:生きた重要文例418で未来を拓け』や伊藤和夫先生の『新・基本英文700選』、飯田康夫先生の『英作文基本300選』などが音声付きでは有名かと思います。それらと比較すると、本書は(索引は充実しているものの)本格的な英作文対策とは言いにくく、かと言って英会話メインでもありません。では、何なのかというと、熟語と構文の復習を兼ねた音読教材と考えます。声に出して覚える熟語・構文集と捉えて良いような気がします。頻出表現をまとめていることから暗記する価値もあり、英語表現を底上げしてくれる参考書とも言えるでしょう。

現役生に向けて、今までに紹介した参考書の中から厳選した暫定的な結論をまとめることにしました。勉強法も併せて紹介しているため、勉強法に悩む大人にも役に立つ内容にするつもりです。結論が変わるたびに更新します。※記事ではなく、下部の固定ページ

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