タイトル | 付属ノートで実践する高校生の語彙と漢字ゴイカン | |||||||||||
出版社 | 桐原書店 | |||||||||||
出版年・価格 | 2021/10/20 1100円 | |||||||||||
著者 | 桐原書店編集部 | |||||||||||
目的・分類 | 入試・漢検対策 | |||||||||||
問題・ページ数 | 328ページ | |||||||||||
総合評価 | ||||||||||||
対象・到達レベル | 中学復習 | 教科書基礎 | 教科書標準 | 入試基礎 | 入試標準 | 入試発展 | ||||||
※入試基礎=日東駒専、地方国公立 入試標準=MARCH、関関同立、準難関国公立(地方医含む) 入試発展=旧帝大上位、早慶、医学部
対象・到達レベル
・中学漢字からやり直したい高校生以上(高校偏差値60未満)
・論理的、文学的語彙も学べるため、大学入試にも有用(漢字は約2100語収録)
・本格的な漢検対策にはならない、どちらかと言えば大学入試や大人の学び直し向き
※本書は漢検の級を基準に構成されていますが、漢検問題集のように部首や四字熟語などは収録されていません。漢字の読み書きのみです。
本書は漢検4級~2級までの漢字を収録しながら、論理的・文学的語彙も収録した総合的な漢字問題集になっています。漢検4・3級が中学レベル、漢検準2級・2級が高校レベルなので、中学漢字から復習したい高校生にはぴったりのコンセプトです。
大学入試で出題された漢字から収録されているわけではないものの、大学入試漢字のほとんどは常用漢字から出題されるため、漢検と大学入試の出題傾向はあまり変わりません。収録語数が約2100語ということで『漢字マスター1800+』と変わらない網羅性になっていると思います。※難関私大では稀に常用外漢字が出題されることはあります。
本書の構成
付属ノートで実践する高校生の語彙と漢字ゴイカン P90-91
取り上げられている漢字には全て意味が添えられ、左下には資料をもとにした漢字問題が様々なパターンで収録されています。これはおそらく共通テストの資料読み取り問題を意識したものではないかと思われます。
また、本書には別冊書き取りノート(空白に漢字を書き込む)も付属しています。こちらはおまけ程度ですが、手を動かすことも記憶の定着を促します。
中学復習を兼ねた高校生向け漢字問題集として
本書を本格的な漢検対策として用いるには不足感が目立つため、どちらかと言えば大学入試への活用を目指したつくりになっています。特に漢検4級から構成されていること、すなわち実質的に中学漢字から復習できる高校生向けの漢字問題集は少なく、本書と同じ桐原書店から出版されている『上級入試漢字・語彙』は大学入試基準の選定になっているために中学復習は意識されていません。
さらに中学漢字からの復習を意識する人とは、高校偏差値60未満の現役生や学び直したい大人が想定されます。この場合、漢字だけではなく、語彙力不足も懸念されるため、それらが一冊にまとめられている本書が理想的な位置付けとして考えられるわけです。本書は偏差値50~60の高校に通い、地方国公立やMARCHあたりを志望する現役生にはピンポイントで刺さる内容になっています。
ちなみに高校偏差値60未満を基準にする理由は、中学範囲を9割以上理解できている場合(=中学復習が不要)には偏差値60を超えるからです。現役生の約85%(偏差値60未満)は中学復習が必要とも言えますね。ただ、本書の論理的・小説的語彙は約600語となっており、レベルとしては完全に大学入試向けになっています。もし、中学レベルの語彙を正しく復習したい場合には『中学国語力を伸ばす語彙1700』などにあらかじめ取り組んでおくのがオススメです。